地域ごとに違う坪単価をしっかり覚える

注文住宅を建てるための費用は、大きく本体工事費・付帯工事費・諸費用の3種類に分類できます。この中で最も大きな割合を占めるのが本体工事費で、全体の約7割ほどを占めるのが一般的ですが、この本体工事費の大まかな目安は坪単価によって計算できます。

坪単価について説明する女性マンションの場合、マンション価格を1坪あたりに換算したものが坪単価となりますが、注文住宅においては、1坪(約3.3平米)あたりの建築費用のことを指します。そのため、ハウスメーカーなどが公開している坪単価に、希望する床面積を掛ければ大まかな建築費用を知ることが可能です。
ただし、平屋の場合は屋根や基礎の工事範囲が広くなるため、同じ床面積であっても二階建て住宅よりも坪単価が高くなります。つまり、同じ予算で平屋と二階建て住宅を建てた場合、平屋の方が床面積が狭くなるということなので注意が必要です。
また、床面積が狭いほど坪単価は高くなります。これは、たとえ床面積が減ったとしても、トイレやキッチンなどの住宅設備は変わらないためです。
したがって、ハウスメーカーなどが公開している坪単価を参考にする際は、どのような家を基準に計算されたものなのかを確認することが大切です。

また、坪単価はハウスメーカーや工務店など家を建てる会社や、工法などによって変わりますが、地域によっても大きく異なります。フラット35の利用者を対象に住宅金融支援機構が実施した2019年の調査結果から算出すると、首都圏における平均単価は99.4万円、近畿圏では93.6万円、東海圏においては90.9万円、その他の地域では86.0万円となります。
このように、地域によって大きな価格差がありますが、一般的に首都圏に近いほど高くなり、首都圏から離れるほど低くなる傾向があります。そのため、注文住宅を建てる際は、自身が希望するエリアの坪単価について押さえておくことが大切です。

なお、注文住宅の坪単価は、本体工事費を延床面積で割ることで算出するのが一般的ですが、その算出方法には明確な定義がありません。ハウスメーカーや工務店によっては、延床面積ではなく施工面積を使っている場合もあります。
延床面積は、吹き抜けやロフト、ベランダ、玄関ポーチなどの部分は含まれません。一方、施工面積はこれらの部分を含めることができるので、延床面積ではなく施工面積を使うことで坪単価を安く表すことができます。
また、どこまでを本体工事費とするのかも、ハウスメーカーや工務店によって考え方が異なるため注意が必要です。

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